『神殿の中で香をたく』という儀式(1:8)では、当番の祭司が神殿内で神の恵みを願って祈りをささげ、神殿から出てきたら、民に『主があなたを恵まれますように』と祝福の言葉を述べる(民数6:25)。しかし、ザカリヤは天使ガブリエルの預言が信じられなかったために、しゃべれなくなって神殿から出てきたので、民に祝福を述べることができなかった。しかし、その約一年後、ヨハネの誕生によって神の言葉の成就をザカリヤが目撃したとき、彼は再び口が開かれ(1:63)、民に神の祝福の言葉を述べたのである。その祝福は、神殿という場所を出て、人々が赤ちゃんの誕生を喜ぶという身近な出来事の中で起こった。神は、私たちの真っただ中にあって、私たちの目線で、私たちに祝福の言葉を下さるのである。
<以上>