
漫画「美味しんぼ」に登場する、料亭の若旦那の芝浜樹一。彼は「料理は総合芸術だと言い…絵の研鑽を積むことで材料を吟味する眼力が養われると説くも【漫画の主人公】に嘲笑され激怒。自分の店の料理人に判定させることにするも誰一人支持せず、樹一の描いた鮎は養殖物であり、鱸(すずき)には活け締めの痕がない等の絵の不備を指摘され、改心する。」というエピソードがある。食材の表面的な美しさや自分の絵の腕に目を向け、本業の料理の本質を知ろうとしなかった樹一の愚かさが描かれている。
クリスチャンは神を信じていると言い、信仰とは努力して聖書を実践することだと説く。しかし、そのように自分に目を向け、自分の人生というキャンバスに、美しい自分を、自分で描こうとする努力は、信仰の本質ではない。むしろ、父なる神の恵み、主イエスの十字架と復活の力、そして内住の聖霊の働きによって、罪びとに過ぎない自分がキリストと結び合わされたという神の愛の御業のすばらしさが、信仰の本質なのである。
聖霊の力によって、私たちの心が神の恵みと愛へと開かれ、より深くキリストを知る生涯の歩みへと導かれることを祈り願うばかりである。