総督ピラトとは、この「ローマの平和」を維持するために、ローマの法律に基づいて各地の属州の行政を任された総督である。そして、このピラトが、イエスを無実としたのである。しかし、サタンに支配されていた祭司長たちは、人間の正義と合理性の象徴であるローマの法律と、その執行者の度重なる説得とに反抗し、理不尽な誹謗中傷によって、とうとうイエスを十字架へと追い込んだ。
理性や正義や努力など、あらゆる人間の力を、サタンは圧倒する。この悪魔の力に対抗できるのは、十字架と復活、そして内住の神ご自身(聖霊)の働きだけである。教会が、「私たちは聖書の命令を守っている」という事実を根拠に自分の力を誇るとき、それは教会がサタンの力に圧倒され、その策略の中に飲み込まれてしまっているという、危機的状態を示す赤信号なのである。